つながるダイアログカフェVol.4「複業という働き方について(その2)」 開催レポート(1/19開催)

つながるダイアログカフェVol.4「複業という働き方について(その2)」 開催レポート(1/19開催)


2022年1月19日(水)19時30分より、つながるダイアログカフェVol.4「複業という働き方について」を開催しました。

今回は、シェアハウス・コワーキング運営、宿泊業、情報通信、建築等デザイン業、農業、講師業などの分野で働いておられる方々に御参加いただきました。多拠点生活を送られている方も多かったです。

ダイアログでは・・・

【複業、ワーケーション、シェアハウス・コワーキング】

・九州でサーファー移住者向けのシェアハウスやコワーキングを運営している。住む場所、働く場所、泊まる場所の区別がなくなってきている。融合していっている感じ。

・海外と日本各地で生活しながら働いている。大都市と地方都市も行き来しているが、シェアハウスなどは、地方都市でできるモデルがより魅力的と考えている。コロナで生じた変化、都会からのエグソダスというか、追い風になると思う。

・複業について、建築から入って、家具や服飾のデザインもしている。どれも本業として取り組んでいる。

・街づくりの支援も行っていて、いくつかの自治体の取り組みに関わったし、今も関わっているものもある。これまでに300プロジェクトに関わってきて、マネタイズも含めて成功したのは2つくらい。298のうまくいかなかった事例を体験しているので、プロジェクトが上手くいくかいかないかは大体わかる。

・シェアハウスでは利用者から移住者に変わっていく流れもある。シェアハウスの利用者は、一部屋借りてガッツリ働く人、週単位くらいで行ったり来たりの人、お試しで来る人の3パターンくらいで、それぞれのパターンを行ったり来たりしている感じ。彼らにとっては住む場所でもあり働く場所でもあるので、コワーキングスペースもガッツリ作っている。それぞれの利用形態に合わせた利用メニューも用意している。1週間以上滞在する人は、そこで仕事をし始める人が多い。1週間あたりが基準。

・複業とリモートワークは相性が良い。コロナの影響でそういう傾向がはっきりした。ただ、自律性が高い人でないとこの働き方はできない。利用者で20歳代の人もいるが、考え方がしっかりしていると思う。

・複業の人、雇用されている人、個人事業者の人など働き方の形態も様々。

・2拠点居住型のシェアハウスの今後について、シェアハウスは、地方都市の方が魅力的なモデルを作れると考えている。満員電車に乗らなくても仕事ができる、物件も安い、初期投資を抑えることができる、面白くてキャラの強い、人、もの、場所があるという強みが地方にはある。大都市圏のシェアハウスが終わったとするなら、地方へのエグソダスが始まる。地方には宝が埋まっているし、その活用のために交流する、いろんな人が集まるという点で、シェアハウスという仕組みは有効だと思う。

・自治体は3、4日くらいでワーケーションをして欲しいと考えているが、導入時はそうなるとしても、長期的には、おそらく3、4日くらいではワーケーションにならないと思う。

・その拠点を何の目的(仕事とかライフとか学び)で自分の生活のポートフォリオに入れるか。学びという要素でワーケーションとか考えていきたい。

・通信会社の地域進行部門にいるが、自治体にしか営業に行かない。民間事業者で頑張っているところと話しをしても、社内であまり評価されない。

・旅について、最近はワーケーションの要素ありの旅が多い。ワーケーションとして魅力があるところに行くことにしている。旅行・宿泊系の人もその辺りでメニューを考えると良いかもしれない。

・海外で仕事をしているが、その地域は知識産業が多く、生産性が高い。それで、あちらは、親や既存の住まいをリフォームして使い続けることが多いので、住宅ローンというものがない。だから、年収がそこまで高くなくても、暮らしに困らない生活ができる。向こうで、日本では住宅ローンに数千万円かけるという話をすると大笑いされる。

・複業は、次の展開のための布石。社会人になって数年はサラリーマンをやっていたが、以降は、クリエイティブで伸びそうな分野の仕事を複業でとりあえずやってみて、生業にできる段階になると本格的にそちらに移行するということを繰り返していた。ネットベンチャーにもいたし、ソーシャルアパートメントの運営もやったし、今は、地方で取り組んでいる。事業の変遷が激しいが、いいキャリア形成になっていると思う。

【マネタイズ、地方の価値、幸せの基準】

・今後は、幸せの基準が変わってくると思う。地方の暮らしで得られる幸せを、東京で得ようとすると、おそらく地方でかかる4、5倍くらいの金と労力がかかると思う。

・地方が持つ価値に気づいていないだけ。その価値の見つけ方やビジネスモデルを理解できていないだけ。

・徳島県の山間部で行われている「つまもの」に使う葉っぱビジネス。職員の年収は600万くらいだそう。地方であれば、それで十分豊かに暮らしていける。

・藻谷さんの言葉を使えば、「日本の里山には宝がある」ということ。その宝をどうつかみに行くか。成功事例をもっと抽象化して考える。葉っぱビジネスの綺麗な落葉はあそこにしかないが、そもそもどこにでもあるもの。各地域の宝をどう磨くか、抽象的に考える人がいない。それを誰もやらない。こうしたビジネスモデルで稼いで見せることが大事。

・地方のソーシャルビジネスの可能性を理解してもらうには、それで稼いでみせることが必要。

・当然ながら、政治家はビジネスモデルを示せない。社会起業家やコーディネーターがそれを示して、成功したモデルも他地域にも広げて行けたら良い。

【気づき・感想】

・若い頃は、企業で働くという選択肢しか思い浮かばなかった。見たことがない、触れたことがないということが多いとその分、選択肢が狭まってしまうと感じた。

・ソーシャルビジネスや社会起業のマネタイズの部分だけに着目した本を書こうと思っている。

・地方創生の話では、マネタイズの話があまり出てこないが、今日の話を聞いて、やはり、マネタイズの部分が重要だということを改めて感じた。他拠点生活も面白さを感じた。

・東京では何をするにもマネタイズの意識を持っていたが、地方に行くとその意識があまりなくなってしまい、むしろそれを悪とするような風潮もある。そこの部分を掘り起こすところから始めないといけない。

・東京神話はすでに崩れているが、いまだにある東京への憧れが、心理的ハードルになっている部分もあり、その辺りの意識を変えていく必要がある。

といったことを話し合いました。

 複業(的な働き方)の実践者の方が参加者に多かったこともあり、実際の事例をもとにした複業やそれに関連する話題のやり取りが多く、とても興味深かったです。複業テーマの会でしたが、働き方はもちろん、他拠点生活、地方の価値、マネタイズなどなど、様々な視点に話が広がり、面白いダイアログとなりました。

 複業の価値、複業と組織、複業と繋がり・・・。いろいろな視点で今後も考えていきたいと思います。


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