【開催レポート】神石高原ワーケーション×せとうちMeet up 「伝統の麹蓋製法の味噌蔵を後世に伝えたい」 〜あと一ヶ月で潰れるはずだった神龍味噌を復活させた訳〜(1/15開催)

【開催レポート】神石高原ワーケーション×せとうちMeet up 「伝統の麹蓋製法の味噌蔵を後世に伝えたい」 〜あと一ヶ月で潰れるはずだった神龍味噌を復活させた訳〜(1/15開催)


ワーケーションに最適な町、神石高原町。町内の様々な活動や課題について、里山資本主義の生みの親である藻谷浩介さんの解説を交えてみなさんと一緒に考え、ディスカッションしていくプレワーケーション・オンラインツアーのシリーズ第1回を2022年1月15日(土)に開催しました。(主催:神石高原町 企画運営:NPO法人nina 一般社団法人Weave)新潟県から広島県福山市まで、全国各地から30名の参加がありました。

▼神龍味噌について

ツアーで訪問したのは、神石高原町唯一の味噌蔵「神龍味噌」です。1948(昭和23)年に創業し、73年続く味噌蔵ですが、後継者がいないことから、2017年の製造を最後に味噌づくりを休止。2020年5月には廃業する予定だった味噌蔵に後継者として現れたのが門田夫妻です。福山市から神石高原町へ移住し、3代目として神龍味噌を引き継ぐことになりました。
神龍味噌の特長は、全国に1%しか製造されてない「蓋麹製法」にあります。
麹蓋(こうじぶた)とは、麹づくり(蒸したお米に麹菌を繁殖させていく作業)に昔から使われている木製の盆のような四角い容器のこと。この麹蓋にお米を小分けにして盛り、すべての米粒に均一に麹菌を繁殖させていきます。
手作業で一からつくるため麴菌がゆきわたり、機械で作ったものに比べて甘く発酵力の高い糀ができあがります。さらに、木樽で仕込むことで、蔵内に住みついた菌が発酵に作用。半年から1年かけてじっくり熟成させる天然醸造により、繊細で風味豊かな味わいの味噌ができ上ります。
このように「木樽仕込み」「蓋麹製法」「天然醸造」の3つが神龍味噌の特長です。門田夫妻の案内で蔵内を見学し、麹蓋やそれを置く室、味噌が熟成する大きな木樽などをオンラインで紹介しました。

▼承継後の課題

この伝統製法による味噌づくりが途絶えると、二度と同じ味の味噌はつくれない。神石高原でしかできない、神龍味噌ならではの味噌の味と歴史を守りたい、という思いから、門田夫妻は三代目として蔵を承継することを決意。
しかし、伝統的な手作りの製法ゆえの悩みも。製造から販売まで夫婦2人で行うため、人、時間、やり方、全てにおいて足りていないのが現状。
100年を超え、老朽化した木樽を新しい木樽に入れ替えるため、クラウドファンディングを実施するも、知名度不足などから目標金額に達することができませんでした。地元スーパーの協力で販路が拡大しつつありますが、味噌の生産能力にも限界があります。
そこで、参加者が4グループに分かれ、神龍味噌の課題解決策を話し合いさまざまな提案が出ました。

今回のイベントでは、現地とつながる特産品として「神龍味噌食べ比べセット(神龍米味噌+倍糀米味噌 各200g)を希望者へ事前発送。実際に味噌を味わいながら参加の藻谷さんからも、そのおいしさに太鼓判をいただき、参加者からも「人に教えたい」と応援の声が上がりました。2時間のイベント後、放課後として設けた30分間にも多くの参加者が残り、楽しく意見交換ができました。